赤松健の連絡帳

「ツイッターでは短すぎるし、Jコミとも関係ないし、日記帳では不便だし・・・」という場合に使う、マンガ家・赤松健の連絡帳です。(tumblrを単なるミニ・ブログとして使っています)
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この記事は、Jコミのメルマガ「はんぺん」からの転載です。

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 最近ネット上で出回っている、「二次創作作成禁止一覧」というリストをご存じでしょうか。
 リストというより、ブログ記事なんですが。

★ 「二次創作作成禁止一覧」
http://ameblo.jp/sakananosaba/entry-11238326575.html


 あれれ? おかしいですね。主に「二次創作を助ける活動」をしている赤松健の作品(「ラブひな」や「魔法先生ネギま!」)が、二次創作禁止になっていますよ。(笑)

 このリストは、「”小説家になろう”のHPにあった」と書かれてはいますが、正確にはその関連サイトで、現在は閉鎖されている『にじファン』に掲載されていたものです。
 だから現在は存在しません。出回っているのはコピペしたものだけです。


 『にじファン』は、二次創作専門の小説投稿(紹介)サイトで、2010年
8月に開設。しかし2012年初旬から、「サイト内での適切な作品掲載を目指し、規制対応」を行っていたようですね。その頃に発表・更新されていた自主規制リストなわけです。結局『にじファン』は、2012年の7月に閉鎖されました。
http://nizisosaku.com/

 この「二次創作禁止リスト」リストの根拠(基準)となっていたのは、出版社からの苦情や通告などではなく、「出版社の公式サイト」に書いてある文言だったようです。出版社のサイトには、よく「出版物やホームページ上の画像・文章・漫画・キャラクター等をもとにした漫画・小説・文章等を作成し、掲載すること」を禁止するようなページが存在しますよね。 ↓

 どれも定期的にネットで話題になるページで、特に芳文社のは言い方が厳しく、「けいおん!の二次創作オワタww」と騒ぎになることがよくあります。

 そして、集英社のサイトには(私が見たところ)断り書きが見当たりません。この差が、リストにも表れています。集英社のタイトルは禁止リストに入っていないのです。

 恐らく『にじファン』の場合、

  1. 出版社やゲーム会社の公式サイトに「断り書きページ」が存在する
  2. 『にじファン』への投稿数が多い

という2点を満たしたタイトルを、単に書き出しただけ・・・というのが真相ではないでしょうか。だって同じ講談社でも、ラブひなの二次創作はNGで、GTOなら二次創作OKだなんて変でしょう?(笑)

 出版社の「禁止ページ」は、どれもよくある一般的な断り書きで、これを根拠に摘発された二次創作同人誌は殆どありません。(*1)
 「少年マガジン」のアプリ公式ツイッターからは、こんな発言さえ飛び出しています。
https://twitter.com/magazineComics/status/263887968211709952

 

・・・・話を戻しまして、「二次創作同人”小説”」の話です。

 実は以前、小倉秀夫弁護士から、「二次創作小説なら合法ですよ」というお話がありまして。そもそもキャラクターやアイデア自体は著作権の保護対象ではないし、特に問題無いとのこと。(もちろん絵や商標が入っていたらマズいでしょうけど)

 また、著作権界の若手ホープ・上野達弘先生も、文化庁の著作権分科会で

例えば,他人の小説の登場人物を用いて別のストーリーを有する続編パロディ 小説を作成するという場合,これは表現ではなくアイデアの利用にとどまることを理由に著作権侵害に当たらないと判断される場合が多いのではないかと思われます。さらに,あるパロディが著作権侵害に当たるとしても,これに対して差止請求をすることは権利濫用に当たるとされる可能性も否定はできないように思われます。

と述べています。
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/housei/h24_shiho_01/gijiyoshi.html

 あれ・・・? もしかして、「二次創作”小説”」って合法なんですかね?
 『にじファン』は、自主規制が行き過ぎて(ありもしない恐怖から)閉鎖されたのでしょうか?

「二次創作小説」について、Jコミ法務部長のKに聞いてみました。

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赤松:
実際、「二次創作小説」(※絵は一切入っていない)って合法なのかね?

K:う~ん、かなり難しいところではありますが、個人的見解でもいいですか?

赤松:いや、できる限り正確な回答を知りたい。(笑)

K:じゃあ、できるだけ(笑)。著作権法が保護する著作物は、「思想または感情を創作的に表現したもの」でなければならないんですが、この「創作性」のある表現がなければ、そもそも著作物性がなくって、保護されないわけですよね。「創作性」の無いありふれた表現は除外されちゃいますし、「表現」と言えない単なるアイディアなんかも除外されます。

赤松:なるほど。たまに例に出る「100円玉の写真」なんかは、誰が撮影しても大体同じ写真になるから、そういう写真には創作性が無いって事なのかな。http://bit.ly/1ar6LiA

K:そうですね。創作性が少ないと、著作権は認められにくいですね。次に、創作的表現などが認められて「著作物」とされた場合、その表現には創作性の中核みたいなものがあるわけですよ。これを裁判所は、表現上の「本質的な特徴」と呼んでいます。これが重要な鍵になります。

赤松:「本質的な特徴」って、裁判所で実際に使ってる言葉なの?

K:はい。社会的に「盗作」と言われるものに対して翻案権侵害の成否を決めるのは、この「本質的な特徴」なんです。原著作物にある本質的特徴を、二次創作物から「直接 感得(かんとく)することできる」ならアウト、できないならセーフと判断します(最判H13.6.28ほか)。同一性保持権侵害の対象範囲についても同様です。あ、もちろん依拠性がない場合(偶然の類似)は別です。

赤松:依拠性というと、それを知っていてそれを参考にして作ったということだね。偶然に似た場合は、翻案権侵害にはならないわけか。

K:そうですね。それで、この「本質的な特徴」って具体的に何だということになるわけですが、これが面倒なところなんです。音楽、漫画、小説、アニメ、脚本、映画など著作物にはいろいろありますけど、それぞれ表現態様によって我々の捉え方は違いますよね。

赤松:そうだね。それぞれ、メロディー・構成・ストーリー・テーマ・図柄・表現方法とか、メディアによって特徴のもつ重さは様々だもんね。

K:ええ。たとえば小説と漫画に図柄の共通性はありませんが、小説内で詳細に表現されたものを図柄で再製したものには、本質的特徴の「直接 感得性」を認める場合があるかもしれません。漫画の図柄をアニメにした場合には容易になります。さらに漫画のストーリーや構成と同じアニメであればもっと容易になる、といった具合に。こうした判断は画一的にはできず、個別具体的にしなければいけません。また、一部だけを取り出して「似ている」とも判断できないと思います。あくまで著作物全体から判断されるべきでしょう。

赤松:確かアメリカと違って、日本の判例では、キャラクター単体を著作物として認めてないんだよね?

K:そうなんです。キャラクター単体は単なるアイディアとして扱われてます。とはいえ、じゃあキャラクターの利用はOKかと言えばそうではなく、あくまで創作的表現が絡めば侵害が成立します。この創作的表現との絡ませ方は、そもそもの表現方法が異なる漫画と小説とでは違うと考えられます。・・・なんだか自分で言っててスッキリしないんですが。(笑)

赤松:じゃあ、具体的な事例で考えてみよう。例えば「進撃の巨人」という漫画のキャラクターを使って、キャラ同士のボーイズ・ラブの二次創作小説を書いたとしようか。それをコミケで頒布した。これは合法かどうか。

K:え、原則的には翻案権侵害でしょう(笑)。・・・とはいえ、ある漫画のキャラクターをオリジナル小説で使うことについては、「漫画→小説」というハードルも高いですし、オリジナル化によるハードルもありますし、これに舞台設定までもオリジナル(原作に登場しない場所だとか)だったりしますと、そこに「本質的な特徴」を見いだすのはかなり困難のように思います。

赤松:つまり、「大丈夫っぽい」ってことだね?

K: ・・・ううう。断言はちょっと。(^^;)

赤松:そもそも、「漫画→漫画」でさえ現状黙認されてる以上、二次創作小説で捕まるとは考えにくいよね。(笑)

K:でも、原作キャラクターのセリフが著作物とされることもあるわけで・・・そうなると、100%安全ではないですよ!

赤松:分かった分かった(笑)。じゃあ、100%安全ではないけど、二次創作小説の場合、まあほぼ訴えられることも無さそうな感じだし、万が一裁判になっても、かなり権利者側が不利な事例が多そうな感じだってことで。

K:あの、僕は一切責任持ちませんからね!(^^;)


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 というわけで、「二次創作小説」は(現実問題として)かなり安全な部類に入る、というのが私の結論です。まあ、これに関しては異論は少ないでしょう。

 もっとも、件の『にじファン』の場合、どうやらマナー(アンチ・ヘイト作品の増加や、コピペ作品、はたまた原作のセリフを長々と使うなど)の悪さが相当目立ってきていたようで、管理者がサイトを閉鎖したのを外部から非難することもまた、出来ないように感じます。

 しかし、閉鎖されたサイトに書かれていたような二次創作禁止リストの、しかも「転載」が出回るのは、あまり良いことではありませんよね。ブログの管理者などに依頼して、古い記事だから削除してもらうという方向性に動くべきかと思います。

                                   (この項おわり)

  

 (*1) 例外は「ドラえもんの最終回」ですが、あれも小学館は態度に相当な気を使っており、「謝罪文と、二度としないという誓約書を提出させ、売上金の一部を藤子プロに支払う」ことで済んでいます。逮捕だとか裁判というのはデマです。それに、描いたのはドラえもんの大ファンなわけだから、そんなことしたら作品の人気に影響しますよね(笑)。ていうか、そもそも小学館は権利者ではありませんし。

 

昨年から記事にしておりました「出版物に関する権利(=著作隣接権)」の問題は、出版社側の歩み寄りもあって、漫画家も納得の「良い着地点」が見えてきたようです。ネットの皆様、ご意見ありがとうございました。
(ここまで前置き)

 

・・・ところで、毎日のようにニュースに出てくるTPP
これが何の略だか、私はどうしても憶えられません。(笑)

実はTPPには、農業以外にも、我々絵描きに関係する「著作権」の項目が存在するようですね。(福井弁護士のまとめ

中でも重大なのは、次の2項目。

  1. 著作権侵害の非親告罪化
  2. 法定損害賠償金の導入

その中でも、(1)の「非親告罪化」は影響が非常に大きく、特に二次創作同人界で危険視されています。

「非親告罪化」とは、著作権侵害した人を、

  • 作者からの告訴が無くても、検察官の独自判断で起訴できちゃう。

というもの。

今の著作権侵害は「親告罪」と言って、検察官が起訴したくても単独ではできず、作者さんに告訴のお願いをする必要がありました。つまり、作者が黙認している限り、コミケで二次創作をやっても大丈夫だったのです。

これが、「・親告罪化」されると、かなりマズいことが起きそうです。

ちょっと、私が考えた「具体的な手口」と「最悪のシナリオ」をご説明しましょう。

  • 商業マンガ家
  • 二次創作同人作家
  • ニコ動 (に作品を上げてる人)
  • pixiv (に作品を上げてる人)
  • コスプレイヤー
  • 出版社

の順に説明しますので、該当する方はそれぞれご参照下さい。

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【 商業マンガ家 】

 例えば「ドラえもん」などは、よくパロディ化されて他の漫画に登場したりしますよね。で、その絵柄が、結構似ていたとします。
大げさに言うと、これを読んだ市民がこぞって警察に通報しちゃう危険性がある、ということです。そして藤子プロが許諾してくれなければ、描いたマンガ家さんが逮捕されちゃう可能性があります。

これって、かなり怖い話ですよね。

そうなると、マンガ家達はみんな萎縮し、作品内でパロディネタを扱わなくなるのではないでしょうか。(=萎縮効果)

 → 商業誌で、パロディのネタが描きにくくなる

 

さらに、例えばスポーツ漫画で、雑誌からの写真トレスがあったとしましょう。
写真トレスと言えば、すでに「トレス検証サイト」というのがありますよね。今は彼らも調査して自己完結しているだけですが、もし非親告罪化となれば、実際に警察に通報し始め、連載マンガを連載停止に追い込むことさえ可能となってくるでしょう。
これは、相当流行る気がします。しかも正義の旗の下に動けますから、作家側は反論もできません。

もちろん、TPPは遡及しませんし、著作権侵害は時効だってあります。しかし、過去の無断トレスを一つ見つけただけで、「ホントは犯罪者だよねwww」と嫌がらせすることは出来そうです。「ホントは犯罪者のくせに、何のうのうと連載してんの?( ´_ゝ`)と言われて、心が揺れない作家がいるでしょうか? この手口は、かなりの数の作家に通用するはずです。

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【 二次創作同人作家 】

例えば、私がコミケの壁サークルだったとしましょう。
しかし壁の真ん中辺りであって、行列の長さ自体は、壁の出口サークルには敵わないレベルとします。

さあ、出口サークルが一冊でもエロパロをやっていたら、すぐさま警察に通報しましょうか。これで、私が次の出口サークルです!(ただし自分もエロパロだったりして)

・・・今までは黙認していた原作者(マンガ家)だって、警察から「コミケ同人誌に正式な許諾を出しましたか?」と訊かれれば、公式に「はい。」と言うことはありません。つまり、守ってはくれません。

それどころか、悪意のある商業漫画家が、仕事の減った弁護士と組んで、バンバン民事訴訟を起こす可能性がありますよね。
「とりあえずコミケの該当ジャンルを全部訴えてみて、賠償金が取れればラッキー!」という感じで、やたらと訴訟が横行するかもしれません。
もし法定賠償金も導入されたとしたら、一件につき数百万円くらい(※アメリカでの数字)取れるという話もありますし、そうなると弁護士報酬もかなり高額です。・・・もしかして、漫画を描くより儲かるんじゃないかしら?

これって、文化の発展に逆行する活動ですよね。

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【 ニコ動 (に作品を上げてる人) 】

UP主の逮捕続出を防ぐため、MADは殆ど全て削除されるでしょう。ゲーム実況も当然ダメ。アニメも、念のため公式配信以外は全部削除されるのでは。
ミクや東方でも、100%安全とは限りません。ガイドラインを厳守して下さい。

ニコ動はJASRACと契約していますが、全ての楽曲がJASRAC管理とは限りませんので、「歌ってみた」や「演奏してみた」は非常に危険です。
ただし「踊ってみた」は、サイレントならOKです。(※追記:オリジナルの振り付けでないと、サイレントでもNGの可能性があります。)

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【 pixiv (に作品を上げてる人) 】

例えば、私が総合ランキングのデイリー50位だったとしましょう。

さあ、トップランカーたちのトレス(写真加工も含む)箇所を探し、あと二次創作の絵師も洗い出して、それぞれ警察に通報しましょうかね。他の絵師たちの個人情報(住所など)は、必要があれば警察の方で調べてくれます。
これで、30位以内くらいは狙えそうです。

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【  コスプレイヤー 】

女性コスプレイヤーは要注意です。「通報するぞ」というイタズラメールが毎日来ることでしょう。
コスプレ撮影会でも十分に注意して下さい。実際に通報される恐れがあります。その瞬間の表情を撮られちゃうわけですね。これは、通報する側もかなり興奮できそう。

TPPが入ったら、念のためアニメや漫画やゲームの衣装は処分した方が良いでしょう。

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【 出版社 】

出版物についての著作権チェック(他の著作権を侵害していないかどうか)に、かなり神経をすり減らすことになるでしょう。

出版社以外でも、コンプライアンスを重視する企業ですと、頭の痛い問題になりそうです。うかうかコピーも取れません。これはもう、社会全体の損失です。

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・・・さて、このような指摘に対して、以下のような反論があるかもしれません。

  • 米国だってコスプレとかバンバンやってるよね。でも逮捕なんかされないじゃん。

アメリカにはフェアユースという考え方があります。いくつかの判断基準のもとで、公正な利用(フェアユース)だと判断されれば、著作権侵害には当たらないというもので、これのおかげなのです。

  • フランスみたく、パロディ規定を導入しては?

フランスのパロディ規定は、「ユーモア」と「元の著作物と混同のおそれがない」のが要件のようです。日本の二次創作というのは、その多くが「BL化」であり「成人向けエロ化」ですので、似たようなパロディ規定で救うのは無理でしょう。

 

そもそも著作権は、何のためにあるのでしょうか?

著作権法の第1条には、

文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与することを目的とする

とあります。
でもこれじゃあ文化の発展どころか、文化への迫害に近いですよね。(^^;)

では、どうすればいいのでしょうか。

 

実は、 

アメリカだって、別にコミケ同人誌なんか潰したいとは全く思ってないです。(っていうか、そんなの存在さえ知らないと思う)

もちろん、日本側だって同様です。

これって、考えようによってはチャンスですよ。


安倍首相は2月28日の衆院予算委員会で、TPPについて、「(農産品など)聖域を守
れないということではない」と述べた模様です。つまり、交渉して例外項目を作れるかもよ、ということでしょう。 http://www.47news.jp/news/2013/02/post_20130228194742.html

また、自民党外交・経済連携調査会が2月27日採択した「TPP交渉参加に関する決議」でも、守るべき項目に、何と「著作権」が入っています。こ、これは素晴らしい。 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013022700399

 

もしかしたら、アメリカと日本が揃って「二次創作同人誌なんてどうでもいい」のであれば、日米合意の上で、

  • 「非・親告罪化」をある程度制限

したり、そこまで行かなくても

  • 「海賊版対策」専用に、少しだけ変更する

くらいのことはしてくれるかもしれません。

 

そのためにも、ここで「非・親告罪化」だけでも反対の声を上げておいて、TPP個別交渉の時に、「反対の声は殆ど無かった」とか判断されないようにしておきたいのです。

そこで、私の作戦は次の3つ。

  1. 漫画家協会と出版社に、「反対声明」を出してもらう。
  2. ニコ生やUSTで、「反対してる我々の存在」をアピール。
  3. TPP慎重派の議員さんに陳情してみる。

1は、もう私がやっています。しかし、講談社は経団連に入っているだけに、公式な反対声明はちょっと出しにくいかも。漫画家協会も、TPPの「著作権保護期間の延長」に大賛成の先生がおられるはずなので、ちょっと難しい?

2も、既に頼んであります。視聴者数がある程度見込めないとニコ動も動いてくれないのですが、もし企画が通ったら皆さんこぞって見て下さい。

3は、有名漫画家さんを何人か連れて行けば、効果があるかも?(笑)
さきほどの外交・経済連携調査会が、首相直属の「外交・経済連携推進本部」に格上げされたようですので、そこの著作権分野の議員さんを訪問できれば最高なのですが。

 

いかがでしょうか。

ところで、もし

  • 非親告罪化なんて入っても、実際には(コミケ同人ごときでは)警察は動かないし、逮捕なんて絶対ありっこないよ。  

という論客がおられましたら、ぜひメール( 
akamatsu@biglobe.jp )でご連絡いただきたいのです。
もし納得のいく御説でしたら、それを公開し、私もすぐにこの活動を停止したいと思います。よろしくお願いいたします。
 

話題を呼んだβテストを経て、漫画家さんとアシスタントさんのマッチングサービス、『GANMO(がんも)』が正式公開されました。

 http://ganmo.j-comi.jp/

このシステムが、日本のマンガ界に少しでも貢献できれば幸いです。

もし不具合や改善案などがありましたら、ganmo@j-comi.jp までお知らせ下さいませ。

長年にわたって、漫画家さんとアシスタントさんの出会いの場として機能してきた、

 「J.A.C.(Japan Assistants Club)」「お仕事・人材探し専用掲示板」

…が、今月9月10日から稼働を停止しています。
停止理由として、「J.A.C.掲示板利用者間でのトラブルの報告が多くなってきた」ことがあるようです。

業界で最大唯一とも言える重要なサイトであったため、すでに大きな混乱が広がっています。
そこでJコミでは、「代替サイト」の研究をしてまいりました。

J.A.C.側も「再稼働させる気持ちは十分ある」とのことですし、Jコミも「余計なことはしないように気をつけたい」と思っておりましたが、いつまで停止期間が続くのか全く分からず、そもそもこういった重要なサイトが1種類しかないのは業界にとって不安要素と言えるでしょう。
また、J.A.C.運営の方も、J.A.C.以外の方法があるのは良いことだとお考えのようです。


・・・そこで、完成したばかりの漫画家さん&アシスタントさんのマッチングサービス、

 『GANMO(がんも)』 を公開することにいたしました。

『GANMO(がんも)』の特色として、「個人の識別にツイッター認証を使用している」ことが上げられます。

そのおかげで変な会員登録作業などは必要無く、既にツイッターを使用中の漫画家さんやアシスタントさん達は、ほぼ100%本人だと判断することができます。また、普段どんな生活なのか、その雰囲気がつかみやすい利点もあります。
(※ツイッターがあまり好きではないという方もおられますので、いずれは他のログイン方法も採用したい考えです。)


まずは、今晩21時(2012/09/27 21:00)から、約24時間の「βテスト」を行います。

 ★「GANMO(がんも)」 : http://ganmo.j-comi.jp/

βテストの書き込み実験に参加して下さるという漫画家さん&アシスタントさんがおられましたら、ぜひ21時から丸一日、「ウソのアシスタント募集」や「ウソの応募」を行ってみて下さい。
24時間後に全て削除されますので、どうせなら面白いウソの募集&応募をお願いします。(笑)


そして、不具合や改善要望がありましたら、メールでお寄せ下さい。

 ★ メールの送り先 : ganmo@j-comi.jp

赤松(@KenAkamatsu)やJコミ情報室(@JComi_PR)へのツイートでも構いません。



このサイト 『GANMO(がんも)』は、永遠に無料のサービスです。

収益化に利用されることは決してありません。


7月10日(火)の深夜から、「著作隣接権」に関する 「ニコニコ生放送」討論会をやります!!

http://live.nicovideo.jp/watch/lv99352394

著作隣接権とは一体何なのか?! それが導入されると、我々漫画家は一体どうなるのか?!
徹底的に討論します!

★ 著作隣接権は、全ての商業マンガ家(作家)に関係のある事柄ですので、漫画家の皆さんには出来るだけ見ていただけると助かります。


漫画家側のメンバーは、

  • 森川ジョージ先生 (代表作・「はじめの一歩」)
  • 井上雄彦先生 (代表作・「スラムダンク」「バガボンド」) (※参加確定しました)
  • 赤松健 (代表作・「魔法先生ネギま!」「ラブひな」)


出版社側からは、

  • 清水保雅氏 (講談社常務取締役。元月刊少年マガジン編集長)
  • 片寄聰氏 (小学館常務取締役。元ビッグコミックスピリッツ、ビッグコミック編集長)


また中川大臣の勉強会から、

  • 桶田大介氏 (弁護士。「印刷文化・ 電子文化の基盤整備に関する勉強会」WGメンバー)


他に有識者として、

  • 境真良氏 (国際大学GLOCOM客員研究員)

そして司会は、おなじみ

  • 津田大介

・・・が参加されます。
MIAUからの告知ページはこちら。http://miau.jp/1341633273.phtml



森川ジョージ先生は、ちょうどマガジンで2本目の新連載 『会いにいくよ』 を始められたところで、結構ギリギリのスケジュールなのですが(^^;)、漫画家にとって重要な議題ということで出演を快諾して頂けました。(※何と『会いにいくよ』は、『はじめの一歩』と同時連載です!)

『バガボンド』『スラムダンク』の井上雄彦先生は、こういった討論会で発言されるのは殆ど初めてのことではないでしょうか。色々と期待が集まります。

また、小学館と講談社の常務取締役が一名ずつ出演して下さるということで、現場の編集者の方も要チェックでしょう。
同人作家さんも、「2次創作」の方は一応見ておくと安心です。(創作系や生モノの方はスルーしてOK)

http://live.nicovideo.jp/watch/lv99352394

前回の記事はこちら↓
http://kenakamatsu.tumblr.com/post/19395239269/rinsetsu

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★ ここまでのあらすじ

音楽CDの著作隣接権からヒントを得て、出版社にも書籍に関する「著作隣接権」を自動的に与えちゃおう、という動きが各所で本格化していた。
しかし、国内にしか通用しない権利のため海賊版の撃滅には効果が無く、逆に権利者が多くなって「作品の死蔵リスク」が増すという懸念から、作家側から大きな反発を受けたのだった。

そんな中、中川正春 衆議院議員(内閣府特命担当大臣)が座長を務める

  『 印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会 』

・・では、「著作隣接権」「出版物原版権(仮)」「(仮)出版物に係る権利」 と名称を変更しつつそのパワーをうまく調整して、いよいよ著作権法の改正試案としてまとめつつあった。

ところが、その勉強会に漫画家が一人もいないこと( http://www.mojikatsuji.or.jp/benkyounaka.html )と、そして漫画家に意見を聞かないまま「議員立法」で成立させられようとしている( http://www.shinbunka.co.jp/news2012/05/120530-04.htm )ことから、漫画家側はますます不信感を募らせるばかりであった・・・・。

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【中川勉強会の中の人に会ってきたよ】


里中満智子先生のお誘いで、上記の「中川勉強会」の中の人とお会いしてきました!
場所は衆議院第一議員会館の会議室。開始時間は、昨日(6/7)の15時から。

勉強会側のメンバーは、中川正春議員と事務局の方、そして担当の弁護士さんです。
マンガ家側のメンバーは、里中満智子先生とちばてつや先生と私、そして手塚プロなど漫画関係者の方々。


まず、議論に移る前に、勉強会側の「言い訳」から。(笑)

事務局の方:

  • 「第1~4回の勉強会にマンガ家が一人もいなかったのは、別に呼びたくなかったわけではなくて、こちらとしては呼びたかったんですけど、声をかけそびれたと申しますか・・・。それに、出版社に訊いたら、”う~ん、マンガ家さんにも色々な意見があるから、呼ばれた先生だって困るだろうし、別に呼ばなくていいのでは?” と言われまして。」


・・・いやいやいや、小説家の阿刀田高さんと林真理子さんはちゃんと呼んでるじゃないですか! 小説家には色々な意見が無いのかよ!?(><)

何だか非常に違和感を感じる我々でしたが、この後、割と和やかに議論は行われました。理由は、思ったよりも 「中川勉強会」 が中立公正な立場であることが分かってきたからです。

出席された、井上雄彦先生の奥様曰く、

「どんな戦いがあるのかと思いましたら、あまりにフレンドリーなので拍子抜けいたしました。(^^;)」


【実は、「最新の改正案」は結構骨抜きになっている】

中川大臣は、文科省の副大臣の頃にこの一件を手がけ始め、別の大臣になった今も勉強会の座長をつとめておられます。別に、出版社に言われて勉強会を始めた訳ではなく、何かもらっている訳でもないわけで、とりたてて誰の味方でもないようです。(あえて言えば「文化の味方」?)
そこで今回、アウトラインが決まってきたので、マンガ家さんを呼んで意見を聞く必要があるだろうと考えたとのこと。

で、出版社側も、最初は「権利はもらうし、中には触れるな」みたいな強気な態度だったのですが、勉強会の方々に色々もまれ叩かれているうちに、割と現実的な路線に修整されていったようです。

例えば、最新の「(仮)出版物に係る権利」のQ&Aでは、以下のような問答が出てきます。 http://www.mojikatsuji.or.jp/pdf/nakagawavol3.pdf

  • Q : 作家が出版社とケンカしたら、どうなるの?
  • A : 作家側が、それ以降の重版や電子化を止めさせることが出来ます。(作家大勝利)
  • Q : 他の出版社で再出版するとき、前の出版社の許諾は必要ですか?
  • A : 原則として必要ありません。(作家大勝利)
  • Q : 2次創作同人誌はどうなる?
  • A : 「(仮)出版物に係る権利」との関係で、同人誌が問題になることは原則としてありません。(同人作家大勝利)


・・・って、おいおい。ぶっちゃけ、現在より作家側が有利になっているような?(笑)

実際には、今も上と同じ権利があるにはあるのですが、こうして改めて明文化されると、「この事実を知らなかった作家が、改めて知るようになる」じゃないですか。すると、「今の出版社が気に入らないから、他の出版社に行こうっと!」とかいう作家が増えませんかねコレ?(^^;)
出版社から見ると、完全に「やぶ蛇」のような・・・。



【参加したマンガ家側も、「これで良いならどうぞ・・」と思っている】

実は事前の打ち合わせで、マンガ家側からも 「こんな弱い権利もらっても、出版社は嬉しくないでしょ。かえって苦労が増えそうだよ。」という意見が出ていました。
里中先生も、「現場で拡大解釈されないように、(新人のために)もっとQ&Aを充実させていって欲しい」など、もう通ったかのようなお話。(笑)

出版社としても、これで満足とは到底思わないでしょうが、ずっと欲しかった権利ですし、まずはこれで行きましょう、ということのようですね。(一応、海賊版対策や出版流通の促進には使えますし。)
今まで、出版社には版面権も隣接権も何も無くて、独占出版契約が切れたらもうホントに何の権利も残っていなかったわけで、大きな一歩と言えば大きな一歩です。特に私は、出版社の「新人育成能力」を高く買っており、出版社にも元気になって欲しいと常々思っていたのです。

ただ、気になるのは、「25年」という著作隣接権の長さ。これに関して、「もしかして書籍版JASRAC化を狙っているのではないですか?」と質問してみましたが、勉強会側から(かなり強い口調で)「ありえない」と否定されました。

また、マンガ家の意見を聞かないまま「議員立法」で成立させようとしていた件は、次の第5回勉強会に里中満智子先生が出席されるということで、一応みなさんOKということに。(^^)


・・・じゃあ、大体これで良いのかな?



【ネットでみんなにチェックしてもらおう!】

いやいや、良くない!
今のままでは、

  1. 主に密室で検討されてきたため、市民(読者)がよく理解していない。
  2. ここに参加していない作家が、別に納得していない(かもしれない)。
  3. イメージ的に、出版社が悪者っぽい感じになっている。

まあ、そうですよね。要するに、まだ「広報」が全然出来ていないんです。

で、これらを一気に解消する方法を思いつきました。

  • 議員立法として提出する前に、「出版社側」・「マンガ家側」・「中川勉強会の方」が同じテーブルで話し合い、それをニコ生かUSTで生中継して、みんなに見てもらうのです!!(笑)


・・・これなら、市民や他の作家達にも意見を聞くことができ、透明性もアピールできて、ここまでの密室性は払拭されることでしょう。

 赤松: 「・・・どうですか?」

 事務局の方: 「いいですね! やりましょう!」

 担当の弁護士さん: 「私も出ます!」

 赤松: 「え、え~っ?!」

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面会は、2時間半で終了。(※中川大臣は、多忙のためやむを得ず50分で退室。)

帰り際に、その場に立ち会っていたお役人のS氏に聞いてみました。

赤松: 「しかし、出版社側が誰も出てこなかった場合は?」
S氏: 「そもそも出版社が出てこないんじゃ、中川先生含め、あそこにいた勉強会の人達も誰も支持しないでしょう。」

なるほど。まあ、何か後ろめたいことがあるってイメージになっちゃいますしね。
司会は、例によって津田さんかな? 急すぎてちょっと無理かも?


・・・事態は、意外な展開を見せた! さあ、どうなる著作隣接権!?

「出版社が著作隣接権を求める理由」について、講談社が私に説明して下さるとのことで、本日(3/16)、音羽まで聞きに行ってまいりました。
(森川ジョージ先生もお話を聞きたいとおっしゃるので、同行していただきました。)

説明して下さったのは、講談社の常務取締役である清水保雅さんと、編集総務局の五木田直樹さん。

清水常務は、東京都の性描写漫画規制の時に、

  「日本の漫画の創造性は“何でもあり”の精神で支えられている」

と言って規制に大反対したご本人で、結局講談社は都が主催する『東京国際アニメフェア』をボイコットするに至りました。明確に、漫画の表現の自由を守りたい立場におられる人物と言えるでしょう。

・・・しかし結論から申しますと、清水さんと五木田さんをもってしても、出版社が著作隣接権を得るべき合理的な理由は、説明することができませんでした。(^^;)
これは恐らく、お二人も同意なさる事だと思います。

私は交渉や議論の際、必ず相手にも花を持たせるように気をつけているのですが(その方がこちらの意見も通りやすい)、今回の別れ際には、参加した4人全員で、著作隣接権の「良かった探し」(※愛少女ポリアンナ物語)を始めるほど。
それほど、まだ出版社側の足並みが揃っていない事案だったのです。



【そもそも著作隣接権とは何か】

私は一介の漫画家なので、以下で間違った文面がありましたら指摘して下さいね。(笑)

著作隣接権は、

 「著作者じゃないけど、作品の発表に大きな役割を果たした人達に認められる権利」

であります。音楽CDで言うと、作詞や作曲をした人が「著作権」者で、「著作隣接権」は歌手さんやレコード会社などに認めらる権利となっています。

で、CDやテレビ番組では著作隣接権はごく普通の存在なのです。
しかし実は、世界中でも「出版社が著作隣接権を持つ国」は一つも無いそうです。

・・・あれ?(^^;)



【なぜ出版社は「著作隣接権」が欲しいのか】

これは、出版社に著作隣接権が自動的に発生すれば、

  1. 電子化するとき、一つ一つの作品ごとに契約を結ばなくてもよくなるので、スピーディに電子化できる。(=出版社が速やかに電子書籍を作れれば、作家も儲かるはず)
  2. 海賊版を訴えるときに、いちいち作者に確認しなくても、出版社の判断で訴えることが出来る。(=出版社が作家の代わりに海賊版をドンドン訴えてあげれば、作者も喜ぶはず)

という点が上げられます。

・・・しかし、1はこれまでの出版契約書方式でも十分スピーディであり、権利を与えてまで高速化する必要は無さそうな感じもしますね。
2も、今までの契約書方式で、出版社がドンドン違法なサイトや人を狩っており、作者(真の権利者)に電話一本入れる手間が省けるだけの話です。



【著作隣接権の問題点】

その割には結構、余波が大きいのです。

  • もし出版社が潰れたら、著作隣接権はどうなるの?(訳の分からない債権者に権利が渡ったりして・・・)
  • 昔のマンガを、他の出版社で再刊行したいとき、前の出版社に妨害されない? (講談社は「そんなことはしません!」と言っていますが、他の中小出版社も同じかどうかは保証できないそうです)
  • たとえ著作隣接権を得ても、海賊版を根絶するのは全く不可能である。 (そりゃそうだ・・・)
  • 権利を持つ人数が増えるので、逆に面倒が起こりやすくなる。 (やっぱ船頭が多いとモメますよね・・・)

他にも、作者が「黙認」したくても出版社の判断で二次創作を全面禁止にできるとか、そもそも海外には及ばない権利なのでネット上の海賊版にはあんま効果が無いとか・・・orz

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★ 実は、こういうことだったらしい

以上の指摘に関しては、清水さんと五木田さんも「ううっ・・・(^^;)」という反応だったのですが、どうやら悪意は全く無かったらしいのです。

そもそも発端は、文科省&経産省&総務省が「電子書籍の促進を国レベルで図っていこう!」という打ち合わせをしている時に、「出版社にもっと権利があったら手っ取り早いよね・・・」という話になったのですね。それを受けて、文化庁が「音楽みたいに著作隣接権があったらどうなるよ?」みたいな感じになったわけなのです。

この話を大いに進めたいのが、マンガではなく「文芸(文字)」の出版社です。マンガと違って、文芸方面では「電子化まで含めた独占出版契約」みたいなものがありません。最初から、新書と文庫版を別の出版社で刷ることを念頭に置いており、「独占」みたいな概念が嫌われるみたいなんですよ。
しかしこれじゃあ、電子化するときに超面倒ですよね。いちいち何でも最初から契約しなくてはならないわけだし。

そして、頼みの著作隣接権に関しても、「問題が山積みで、一筋縄では通らないであろう」と最初から考えられておりました。
文化庁も、「このままでは何も進まないと思いますよ~」と言うので、文芸系の出版社が中心になって国会議員さんとの懇談会に行き、作家の頭を飛び越えて急に「議員立法」とか言い始めたのが、この件の真相とのことです。(↓)
 ・自公、出版業界と懇談 http://www.komei.or.jp/news/detail/20120121_7107


・・・これが「事実と異なる!」という場合は、指摘して下さいね。>文芸系の出版社の方々


しかし「著作隣接権があったら、夢のように便利だろうなぁ・・・」と思っているのはどの出版社にとっても同じ事。だから、出版社全体として、著作隣接権を欲しがっているというのは間違いありません。
著作隣接権があったら隣接権者の取り分があるから投資リスクも減るかもしれないし、何より出版社が苦労して作って売った商品(書籍)に関して、作者以外に自分達の努力が幾分でも認められるのは嬉しいじゃないですか。(^^)

また、講談社の野間社長が、一度の手続きで権利作業をすべて完了できる「ワンストップサービス」を提唱しており、そのためにはやっぱり著作隣接権は欲しいらしいのですね。
作家の手を煩わせることなく海賊版への訴訟などをやれるようにしたいというのが希望だそうで、これがあればJASRAC的な機関になり得るかもしれません。


さて、最後になりましたが、講談社側の宣言というか言い分をお伝えします。

  • 講談社は、作家が嫌がるのを無視してまで、勝手に著作隣接権を実現するようなことはしたくないと思っている。
  • デジタル時代に何らかの追加的な権利が欲しい。それが著作隣接権であれば歓迎する立場。

しかし著作隣接権の付与に関して、「現段階では、全作家を説得できるだけの合理性は無い」という事は素直に認めておられました。


私からは、

  • ここまでに示された「著作隣接権の利点」は、全て現在の出版契約書のままか、もしくは拡充すれば普通に対応できる。
  • 日本のあらゆる出版社に、問答無用で著作隣接権が発生するのは、あまりにも危険。
  • 無理に著作隣接権を取ろうとするのは、労多くして(金銭的な)利益があまりにも少ないように見えるので、お勧めしない。

という意見を述べさせていただきました。
(それに加えて、別の新しいマネタイズの企画を提案させていただきました。(笑))

お二人は、「著作隣接権」という「権利の言葉」を持ち出したのが間違いだったかも・・・という話もしておられましたが、そんな感じかもしれません。


あと、もう一つだけ。

例えば「原発を持ちたい」という方針には、「できれば将来、核兵器を持てるようにしておきたい」という願望が隠れている場合があります。
「著作隣接権を持ちたい」という方針にも、「できれば将来、”著作権そのもの”の何割かを出版社が持ちたい」という願望があるのではないでしょうか。実際、編集者が原作書いてる漫画も多いわけだし。私が出版社の社長であったら、そう考えるだろうと思います。そして著作隣接権の獲得を、その1ステップ目にします。

清水さんと五木田さんは否定しましたが、どうですか?>出版社の方々

これはちょうど11年前、2002年の記事。

ラブひなを描き終え、次回作(つまりネギま)の作戦を練っているところです。

http://www.ailove.net/mugen/index.html

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2002年3月30日


さて、私の”次回作”のジャンル選択について、もう一度考察してみましょう。
・・・ここでは便宜上、私の個人的な願望を除外して、”傾向と対策”のみを考えてみることにします。


まず、例の「次回作をラブコメにすべきか否か」という問題のおさらい。

通常、初期段階で予想される読者の反応は、

  1. 似たようなラブコメにすると、「またこれか」と言われる。
  2. 違ったジャンルにすると、「前みたいのが見たかったのに」と言われる。


どちらにしても”不満足”になる理由として、前作「ラブひな全123話」と、「新連載第1話目」だけを、単純に比較されてしまうからという点があげられます。
(全く違った観点で、しかも画期的なアイデアを盛り込むことができればそうはなりませんが、そんな才能があるのなら世話無いッス)


実は、資本主義社会では、この問題に対する明確な解答があるのです。

  • (解答) ラブコメと、そのまた違うジャンルの作品を、別の雑誌で同時に連載する。


つまり「売れているならば、また同じ商品を作りつつ、設備投資をして別商品も売っちゃう」という考え方ですね。
しかし工業製品と違って、マンガ家の場合これは結構ツラいです。(^^;)
(週刊1本と月刊1本を延々と連載している作家さんもいますが・・・・)


それで、少年誌(特にマガジン)で主に行われている対策は、

  • (解答2) 前作のキャラを一部持ち越し、おなじみの世界観を利用しながら”別のジャンル”を開拓していく。


こうすると、すでにあるブランド力を利用して、新しい世界に手を出すことができます。「GTO」や「クニミツの政」などがこれにあたります。

「何も同じ世界にせずとも、似たようなテイストを維持できれば、もとの読者はついてくるのではないか」と思ったりもしますが、現実には「またこれか」(マンネリズム)という反応になることが多いようです。
その点、「同じ世界」にしておけば、一種の免罪符としての効果が期待できます。

それでも、特に前作がヒット作だった場合には、それを超えられないと全て”負け”と考えてしまうのが普通ですから、そうそう勝つことなんてできないはずですよね。
また、週刊連載では、読み切りや書き下ろし単行本と違って、初期段階から人気アンケートを取っていかないと維持が厳しいというのは周知の事実。ロングスパンで全体の構成を考えつつ、一回一回でも盛り上がるように作らなければなりません。


・・・で、私の場合どうすべきかというと、

  1. 似たようなラブコメをやったとしても、おそらく「ラブひな」を超えることはできないであろう。(その分、安全ではあるが)
  2. どのジャンルにしても、どうせラブコメ的な要素は入ってくるであろう。(これはジャンルの問題ではなく、単に作家性の問題である)
  3. 以前に比べ、読者はヒマではなくなっているので、漫画の世界観に引き入れる時間的余裕がない。(短期的な快楽を連続させ、長期的なテーマは裏で別に用意するべき?)


よって、サンデー的な長期ラブコメ企画(ラブひな含む)は、これを選択肢から外した方が良いでしょう。

次に、残った選択肢である、

  • ドラマ重視のマガジン型漫画
  • キャラクター重視のジャンプ型漫画

を、実際の作品例をあげつつ考察してみます。


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2002年3月31日

(昨日のつづき)

★ ドラマ重視のマガジン型漫画
vs
★ キャラクター重視のジャンプ型漫画


これも、おさらいです。

マガジンでは、編集者がきっちりネームを直してくるのと、そもそも「編集部側から企画を立てて作家を捜す」例が多いため、当然「よりドラマ性を重視した漫画」が増えることになります。
もちろん、絵柄を無視しているわけではないのですが、あえて「新しい絵柄を育てる」ことは殆どないと言っていいでしょう。
そのため、アニメ化よりドラマ化が多いです。ドラマ性重視の場合、漫画キャラクターを実在の俳優さんが演じても、それほど破綻をきたさないためですね。
編集部でも、慣れているせいか、よりドラマ化の方に目が向いていました。
(※ただしこれは、金田一少年やGTOまでのことで、2000年度からはアニメ化オンリーとも思える作品が増えた。これは明らかに、方針の変化を表している?)

ジャンプでは、ドラマ性を無視する・・・と言うと大げさですが、よりキャラクター性を重視した直しをおこなっています。
今、ストーリー上で何が行われているかというよりも、ただ魅力的なキャラクター達が活動している(例えば武道会やら試験やら)ことに意味を見いだしているわけです。
そのため、そのキャラクター達を実在の俳優さんが演じるわけには絶対いかず、よってアニメ化がほとんどということになります。
編集部でも、コネクションの殆どはアニメ絡みで、ドラマ化の方はあまり向いていないと言えるでしょう。


さて、時代はどちらかというと、「キャラクター」寄りです。
おそらく、この後ジャンプが勝つと思います。

単行本の売り上げも、ドラマ化が普通1クールなのに対して、アニメ化は2クール以上。
ドラマが放映している間に出る単行本が、多くて2巻(ゼロの場合も)なのに対して、アニメが放映していれば延々と単行本が売れるという点も会社としては無視できません。


では、ドラマ性重視のマガジンに、キャラクター系漫画が来たらどうなるか。
・・・実は、内容が薄いため、人気アンケートが取りにくいのです。
(※ジャンプはこの問題を、「数を撃つ」ことによってクリアしている?)
しかし、「内容が濃いキャラクター漫画」にすると、今度はクドすぎて読者に拒絶反応が起こってしまいます。

この対策としては、「画面の情報量」を増やすのが効果的だと考えます。
キャラクター系漫画であるが、一読して全内容を把握できない画面情報量。
これが、内容の濃さの代わりになるのではないでしょうか。

別に、そのまま「緻密に描け」という意味ではありません。
例えば、ジャンプの矢吹健太朗さん(Black-Cat)の絵は、前作に比べて大幅に画面情報量が増えています。急にギッチり描き込まれ始めた、というわけではなく、絵的な意味で「コストが高くなっている」のです。
トーンや線の多さではありません。画面情報が正確で多くなったという意味なのですが・・・分かりにくいですね。スミマセン。(^^;)
逆に、岸本斉史さん(NARUTO)の絵は、かなりコストが下がっています。
ネームの流れ&アングルが売りなのと、もう読者が愛着を持つキャラが多数いるので、画面情報量を上げる必要はないとも言えます。(それでも初期は結構コストが高かった)
この辺の技術論については、後述します。

  1. ドラマ性よりも、ジャンプ寄りのキャラクター性を重視
  2. よりアニメ寄りの立ち位置
  3. 画面情報量を増やし、浅く広く展開する


・・・ジャンプ寄りと言っても、私の次回作はマガジン狙いですので、その分目立つであろうことも有利な点かもしれません。単に、違和感を醸し出して終わりという可能性も高いですが。(^^;)

PS.この理論には「私の願望」が入っておりませんので、この通りには当然進みません。今はコラムとしてお読み下さい。

    (つづく)

『魔法先生ネギま!』37巻が、本日発売されました!

限定版は、

  • 76分にボリュームアップした、「劇場版ネギま(赤松監修版)DVD」
  • 全声優さんのサインが入った、キラキラ仕様の「本契約カード」31枚

が同梱されています。

こ、これは良い出来だ!(^^)

【限定版】 http://www.amazon.co.jp/dp/4063583627

【通常版】 http://www.amazon.co.jp/dp/4063846261

Windowsで1G以上のメモリがあると、古いペインター4~6が動かなくなる。
以下、対処法についてのメモ(参考)。

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■ メモリ容量が1Gを超えた場合のWin版『ペインター4~6』起動法

ペインターに、メモリ容量を512Mだと誤認させて起動する模様です。
ペインター4~6、ペインタークラシック、ペインター3DもOK。


(1) http://dev.depeuter.org/index.htm
上のサイトの「MetaCreations Fix 3.0」から「Download」を選び、「You can download the zip file here」を押してZIPファイル「metacreations_x64_fix」を入手。(今回から64ビット版のWindowsにも対応した模様。)

(2) ftp://ftp.corel.com/pub/Painter/
一応、上のコーナーでペインター自体をアップデートしておくこと。特に6は6.1にしておく。

(3)ペインターをインストールしたディレクトリで、zipを解凍する。その後は、1の「Installation」の通りにパッチを当てる。

問題点として、ペインターから外部プログラムを呼び出せない可能性がある。
(ヘルプからIEを起動したり、twain機器で画像をスキャンしたり)